涅槃の道場で涅槃像になる

2016.11.29 Tuesday 21:59
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     四国遍路八十八ヵ所めぐりのうち香川は、「涅槃の道場」と呼ばれています。

     「涅槃とは、仏教術語。智慧を磨き修行を積んで、迷いや煩悩や執着を断ち切り、悟りに到達して、いっさいの欲、束縛、輪廻から解放された最高の境地をいう。」日本大百科全書(ニッポニカ)

     確かに私は涅槃の像に近い形で病院のベッドに横たわっていましたが、若干違うスタイルでした。両膝を丸めて、お尻を看護婦さんに向けていました。そうです、浣腸をされたのです。

     私の人生は、涅槃の境地とは真逆の人生を歩んできました。遍路をはじめたのも、修行を積んで、より良い人生を生きたいという思いがあったからかもしれません。しかし、レンタカーを使って回る遍路に少し違和感を持っていました。“楽あれば苦あり”という諺がありますが、今回の体験はそう思わざるを得ないものでした。

     私は、何日か前から少し便秘ぎみでしたが、あまり気に留めていませんでした。もともと便秘体質ではありませんでしたから。善通寺あたりを回っているときは、通りも善かったのですが、三日目あたりから、通りが悪くなりトイレに立てこもる時間が長くなりました。そのために、遍路の計画が遅れるという負い目もあって、苦しんでいました。そして、最終日(四日目)の朝一番で行った大興寺で事件は起きました。

     お寺の駐車場にあるトイレに駆け込んだ私は、出そうで出ないものにもがき苦しみました。助けを求めようにもスマホも持たずに駆け込んでしまいました。何度か妻を呼ぼうとしましたが、妻は車から離れており見当たりません。何度もそんなことを繰り返して、もう救急車を呼ぶしかないと思い、外へ出ようとした時に、やっと妻から声がかかりました。その間、約一時間。私は「病院か薬局へ連れて行ってくれ」と訴え、車に乗り病院探しのドライブとなりました。たしか薬局があったはずだと、来た方向に走り出しました。そして、しばらく走ると幸運にも病院がありました。「高井整形外科」という看板でしたが、藁にもすがる思いで病院に入りました。幸い、診てもらえることになり、一安心。病院に入ると安心するタイプです。病院依存症かも?

     さて、危機的状況を説明し(実は血圧の薬を忘れて四日間飲んでなかった。)、血圧を測ったら、210〜100という驚異的数字。お腹のレントゲンを撮り、先生から「ここに溜まっているのは、便です。」と説明をされ、「チョット気持ち悪いけど浣腸しましょう。」となり、涅槃像のスタイルになった訳です。看護婦さんにいきなりズブッとさされ、「我慢しなさい。お尻を閉じなさい。」と言われても、こちらはパニック状態で、何とかお尻をすぼめてトイレへ駆け込み、一気に放出しました。

     私がトイレに座っている間、私に浣腸をした看護婦さんと妻は讃岐うどんの話をしており、「香川のうどんは腰が強く固いので、煮込みうどんでもダメよ。」と看護婦さんに言われていました。讃岐うどん禁止令です。

     このまま入院かなと思ったら、血圧の薬と気分が良くなる薬(ドラッグではありません)をいただき、帰ってイイヨとなりました。病院の皆さんに「あなたたちは命の恩人です。」とお礼を言い、便の残り香を残したまま病院を後にしました。

     こうやって、私たちは、ひとつの試練を乗り越えました。こういう話は、皆さまに不快感を与えるかもしれませんが、いつかわが身、反面教師として、教訓にしていただければと恥を忍んで報告させていただきました。

     私たちは、病院を出た後も札所を回り、四国八十八ヵ所めぐりを完了しました。次の機会には、少しでも歩いてみたいと思っています。

    JUGEMテーマ:ぶらり旅

    category:四国八十八ヵ所めぐり | by:j-k-nolencomments(0) | -

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